桜木町法律事務所

業務内容

遺産分割・遺留分減殺請求

遺産分割協議・遺産分割調停

遺産分割については、相続人間で円満に話し合いにより解決できたらそれが一番いいことだと思います。しかし、時には専門家である弁護士を入れて協議したほうが冷静に話し合いにより解決ができることもあります。

どうしても遺産分割協議が整わない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申立て、2人の調停委員の仲介で分割協議を進めることになります。申立てをする家庭裁判所は、相続開始地(被相続人の最後の住民票上の住所地)または相手方となる相続人の住所地の家庭裁判所となります。
遺産分割調停は、遺言がない場合には、基本的には法定相続分に従いながら、これに被相続人の家業を手伝って相続人の財産形成に寄与した場合の「寄与分」や被相続人から生前贈与を受けたりしていた場合の「特別受益」を考慮したり、相続人の現在の生活状況(例えば、相続財産である土地建物に居住している)などを考慮して話し合いがおこなわれます。
調停による話し合いによって解決できないときには、家庭裁判所裁判官による審判が下されます。  

弁護士はこのような遺産分割協議や遺産分割調停・審判において相続人の代理人をします。

遺留分減殺請求

遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹や甥姪以外の相続人に一定の割合で留保された相続財産の割合です。この分については、被相続人は自分の財産といえども生前贈与や遺言による死因贈与によって勝手に処分できません。

遺留分の割合:
直系尊属のみが相続人の場合→被相続人の相続財産の1/3
それ以外の場合→被相続人の相続財産の1/2

例えば、相続人が配偶者と2人の子どもの場合で、遺言で子どもの1人に全て相続させると書いてあった場合。配偶者は被相続人の相続財産の1/4(法定相続分1/2の1/2)、もう一方の子どもの1人は相続財産の1/8(法定相続分1/4の1/2)の遺留分が侵害されていることになります。このような場合には、全遺産を相続することになった相続人に対して、侵害されている遺留分相当の遺産を請求することができます。
なお、遺留分減殺請求は、相続開始及び減殺すべき贈与や遺贈があったことを知ったときから1年間行使しないと時効によって消滅してしまいますので、早めに弁護士にご相談ください。

弁護士費用

●遺産分割協議、調停、審判
着手金 定額50万円+消費税
報酬金 最終的に相続した金額の10%+消費税
●遺留分減殺請求

協議、調停、訴訟は「遺産分割」と同じです。

着手金 定額50万円+消費税
報酬金 最終的に相続した金額の10%+消費税

遺産分割・遺留分減殺請求に関するよくあるご相談

被相続人が死亡し、遺言がなかったので法定相続人で遺産を分割したところ、貸金庫から遺言が出てきました。既に分割した遺産を遺言書の通りに分割しなおすことは出来ますか?
遺言書が発見された場合、遺言書の存在を知らずになされた遺産分割協議は原則として無効となります。相続人は他の相続人に対し、遺言書に従った遺産の再分割を請求することができます。ただし、遺言書が発見された場合でも、相続人全員が遺言の内容を確認した上で相続人全員の合意で遺言と異なる遺産分割をすることは可能です。
自筆の遺言書がたくさん出てきました。どうしたらいいですか?
封印されている場合は開封せず、そのままの状態ですべて家庭裁判所に持参し、検認手続を受けます。遺言書が複数ある場合、日付が新しい遺言が遺言者の最終的な意思を反映しているものと考えますので、最も日付の新しい遺言に従って遺産を分割します。ただし、日付が古い遺言書も日付の新しい遺言の内容と反しない限りで効力を生じます。よって、日付の新しい遺言書に定められていないけれども、日付の古い遺言書には定められている内容であって、その内容が新しい日付の遺言の内容にも反しない場合、日付の古い遺言書もその限りで効力を生じます。
父が亡くなりました。相続人は母と私だけなのですが、父は亡くなる前に母に全財産を遺贈していました。私には相続分は一切ないのでしょうか?
あなたは、お父様の財産の4分の1について遺留分を有しています。従って全財産の遺贈を受けたお母様に対し、相続財産の4分の1について遺留分減殺請求をすることができます。
母が亡くなり、遺言には「A(私)には一文もくれてやるな」と書いてありました。私は何も相続できないのでしょうか?
あなたはお母様(被相続人)の相続人であり、被相続人の兄弟姉妹にあたらないので、遺留分というものがあります。お母様が遺言であなたの相続分をゼロとしても、あなたはお母様の遺産の一定割合について遺留分を主張し、その他の相続人に対し遺留分減殺請求をすることができます。ただし、あなたが相続欠格者であったり(自分に不利な内容の遺言書を隠した場合など)、廃除されたりした場合(お母様に対する虐待があり、お母様が遺言書であなたを相続人から除外する旨を記載している場合など)、あなたは遺留分を失いますので、遺言書のとおりお母様の財産を相続することはできません。
母は兄と同居していました。母は兄がお店を出店する際に援助をしていたようです。これは特別受益にならないのでしょうか?
お母様のお兄様に対する援助が返済を前提とする貸金に当たる場合は被相続人の相続人に対する債権として相続財産に含まれることになります。これに対し、お兄様に対するお母様の援助が返済を不要とする贈与に当たる場合、お兄様の「生計の資本」としての贈与に当たり、特別受益になります。お兄様への援助が特別受益に当たる場合でも、お母様が特別受益にあたる贈与の持戻しを免除した場合は、相続分の計算にあたり特別受益として持ち戻しはされません。
私は父の所有するマンションを無償で20年間借りていました。父が亡くなった際に相続人である弟から20年間分のマンションの家賃は相続財産にならないのかと言われたのですが、弟の言うように相続財産になるのでしょうか?
お父さまが所有するマンションをあなたが無償で借りていたと言う事実は、使用貸借という契約にあたります。従ってお父さまがあなたに対し20年間分のマンションの賃料債権を有していることにはならないので、マンションの家賃は相続財産にはあたりません。ただし、20年間あなたが無償でマンションに居住したことが特別受益に当たる場合には、家賃相当額を相続財産に持ち戻して相続分を計算することがあります。
失踪宣告により死亡したと考えられていた相続人の一人である兄が生存していることが判明しました。遺産分割はやり直さないといけないのでしょうか?
お兄様以外の相続人全員がお兄様の生存を知らずに失踪宣告を前提として遺産分割協議を成立させた場合、遺産分割協議は無効とはならないので、失踪宣告が取り消されても遺産分割協議をやり直す必要はありません。しかし、失踪宣告によって財産を取得した者は失踪宣告の取消しによって、取得した財産を、現在残っている範囲で返還する義務を負います。
内縁の夫が亡くなりました。内縁の妻である私には相続する資格はないのでしょうか?
法律上の婚姻をしている妻と異なり、内縁の妻は法定相続人ではないので、原則として内縁の夫の財産を相続できません。しかし、内縁の夫があなたに財産を遺贈している場合は、あなたは内縁の夫の財産を取得することができます。また内縁の夫に法定相続人がおらず、あなたが内縁の夫の特別縁故者にあたる場合、家庭裁判所の審判により内縁の夫の財産の全部または一部を取得することができます。
いつも話し相手になっていた近所の女性が亡くなりました。お互い身寄りがいないので、20年に渡り、元気な私が彼女の面倒を見ていました。生前彼女が自分の死後は自分の財産を私にと言っていました。遺言書はないのですが、故人の意思を尊重することはできますか?
まず家庭裁判所に相続財産管理人を選任するよう請求します。選任された相続財産管理人に対し、亡くなった女性が生前「自分の死後は自分の財産を私に」との意思を示していたことを通知します。相続財産管理人は相続人の有無を調査し、女性の生前の意思が書面などで表示されていないか確認します。女性の生前の意思があなたに対する遺贈であると認められる場合、故人の意思のとおりあなたが財産を取得できます。また、遺贈とは認められない場合でも、相続人が存在しないことが判明し、故人の療養監護に勤めたということであなたが特別縁故者に該当する場合、その女性の財産をあなたが取得することができます。

予約受付フォーム

pagetop